個展作品ご紹介②

名古屋帯「月と雲」。地色は青磁色。生地はシャリ感のある紬。

白い雲と黒い月のコントラストが印象的です。月の部分は”誑し込み”をしています。

月という題材は秋を連想しますが、春霞の月をイメージするような色味に染めましたので、是非、秋だけでなく晴にも楽しんで頂きたいです。

以下、制作工程をご紹介いたします。

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初めに図案を制作します。その後、生地に青花と面相筆を使って下絵を写します

上の画像は、下絵写しが終わったところです。

こちらの写真は”裏鉛筆”を終えたところです。

生地の裏側に、表に響かないように鉛筆で下絵を写します。

そして、地入れをします。地入れをすると、水の影響で表に青花で写した下絵は消えてしまいます。

地入れをした後、裏鉛筆で写した下絵を元に、再び青花で表に下絵を起こします。

ロウ伏せをしました。

これは、地色をがらの部分に被らせたくない、白に抜きたい、という意図がありますので、”白付け”と言って割れにくいロウを使って、柄に何度もロウを重ねて分厚く置く方法でロウを置きます。

地色を引染しました。

この後、1度、ロウ取り→蒸しをして、地色の染料を生地に定着させ、色を発色させました。

文様のまわりの色が濃くなっている部分はロウが染み込んでいます。

満月の方の、月と雲の境目の部分は裏鉛筆を元に青花で線を起こしました。

月の外側の部分をロウを使って”堰だし”しました。

文字の通り、ロウを使って堰を作ります。

そして、堰の中の部分に”誑し込み”をします。

黒い部分のニュアンスを格好良く仕上げないと元も子もないので、とても緊張する場面です。自分の中でイメージをしっかり持って挑みます。

染料が乾燥したら、ロウ取り→蒸し→水元脱ロウ湯のしをして完成です。

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こちらの作品は、明日2月5日(火)〜10日(日)に目白のギャラリールヴァンさんにて開催される個展にて出品いたします。

是非実物をご覧ください。よろしくお願いいたします。

【甲斐凡子 染色作品展】
2019年2月5日(火)〜10日(日)会期中無休
12:00〜19:00(最終日17:00まで)
ギャラリールヴァン 171-0031 東京都豊島区目白3-12-27
03-6908-3014

二年前の個展の後、着付け教室に通い、作る視点と着る視点の両方を得られるようになりました。その視点を生かして今回は、和装に西洋的な感覚を取り入れ、作品のどこかに印象的な青を使った作品を中心に制作しました。皆さまのご来場をお待ちしております。

甲斐凡子 Instagram;@foglia.jp